映画監督の庵野秀明氏は2016年11月22日、都内で行われた「株式会社カラー10周年記念展~過去(これまで)のエヴァと、未来(これから)のエヴァ。そして現在(いま)のスタジオカラー。~」のマスコミ内覧会に登場した。11月23日から30日まで開催される同イベントでは、庵野氏が代表を務める映像企画・製作会社カラーの代表作「エヴァンゲリオン」シリーズの原画や設定資料、氏が脚本・総監督を務めた今夏公開の映画「シン・ゴジラ」のひな形などが展示される。
庵野氏は約15分間、報道陣の囲み取材に応じ、展覧会を「うちの会社がやってきた10年をぎゅっと詰めた感じだ」と紹介した上、「作品そのものではなく、作品を作るまでの過程の面白さを楽しんでもらえれば」と語った。
「シン・ゴジラ」が流行語大賞を獲っても、表彰式には「出ない」
庵野氏が脚本・総監督を務めた映画「シン・ゴジラ」は、国内の「ゴジラ」映画では12年ぶりの新作だった。7月下旬に公開されると瞬く間に話題となり、その人気は社会現象ともなった。「ユーキャン新語・流行語大賞2016」の候補作品にも選ばれている。配給会社の東宝によると、興行収入は11月16日時点で80億円を突破している。
展覧会では、「シン・ゴジラ」のひな形3つが展示されている。庵野氏は
「元々、ゴジラの本体はCGで作ろうという前提だったが、最初からCGで作るのではなく、立体物にしてからCGに落とし込んだ」
と語った。「シン・ゴジラ」は劇中で形態変化を繰り返すが、展覧会にあるのは第2形態、第3形態、最終形態のひな形だ。映画に形態変化を盛り込んだ理由を聞かれると、庵野氏は
「東宝さんは最初、それを嫌がっていた。『ゴジラはこういうものだ』というイメージを崩すのは...と。ただ、バンダイさんは3つ出せてうれしいです、と言ってくれた」
と打ち明けた。「新語・流行語大賞」にノミネートされた感想も聞かれたが、さらりと「特にないです」と受け流し、表彰式には「出ないです。東宝の人が行けばいい」という。