アンコールワットやアンコールトムがあるカンボジア北西部の都市、シェムリアップにはトンレサップ湖がある。この湖は東南アジア最大で、湖には300万人以上が水上生活をしている。
トンレサップ湖観光の定番といえば、海外旅行好きならまず「夕日」を思い浮かべるだろう。でも、どこで見ればいいか分からないし、観光客だらけのポイントも趣がない...。今回、現地を訪れた記者がそんな不満を解消する、とっておきの夕日プランを紹介する。
夕日を「独り占め」できるマル秘スポット
プランを提供しているのは、カンボジア・シェムリアップ市内の5つ星ホテル「ヘリテージ・スイーツ・ホテル」(Heritage Suites Hotel)だ。「かゆいところに手が届く」接客と、5つ星ホテルならではのホスピタリティが体験できるとあり、世界中の観光客から人気を集めている。
ホテルから湖までは車で30分。人懐っこい笑顔が素敵な従業員が、湖の歴史や水上生活者について丁寧に説明してくれる。
そうこうしていると、あっという間に船着き場へ到着する。記者を出迎えたのは、お座敷付きの大きなクルーズ船だ。靴を脱いで座敷に上がると、乗組員から早速、ウェルカムドリンク(ライムジュース)を手渡された。日没前とはいえ、シェムリアップの最高気温は11月頭でも30度を超える。急激な気温変化に体力を削られていた記者には、嬉しい心づかいだった。
船着き場を出ておよそ20分クルーザーを走らせると、知る人ぞ知る夕日ポイントに着く。 他の観光客が乗るモーターボートやクルーザーは、もう周りにない。水鳥の鳴き声しか聞こえない場所で、夕日を「独り占め」。こんなに贅沢な時間は、日本にいるとなかなか味わえない。しばらくすると、オレンジ色の夕日が湖に沈みはじめ、広い空と水面を赤く染めていく。
ビール、シャンパン...まさに「至れり尽くせり」
タイミングを見計らったかのように、クルーザーの乗組員が地元名物のアンコール・ビールとカナッペを持ってきた。あっさりビールを飲み干した記者に、「これもどう?」とシャンパンボトルのサービス。
同行者とグラスをかたむけながら、沈みゆく夕日を目に焼き付けよう。日没前から完全に日が落ちるまでのおよそ30分間、まさに「至れり尽くせり」のサービスが受けられる。
ここまで説明するとやはり気になるのは料金だが、心配無用だ。ホテルから湖までの往復送迎代、クルーザー貸し切り代、湖への入場手数料、ソフトドリンクなどすべて込みで175USドル。1人から5人まで料金は変わらない。
シャンパンやカナッペは有料オプションになるものの、5人で割れば、1人最低4000円以内で楽しめる。今回記者と同乗した40代男性にも「ここでプロポーズしたら絶対成功するだろうな」といわしめた、極上の空間。旅の思い出に是非どうだろう。
なお、湖の水位が極端に低くなる乾季(11月中ごろ~4月)はクルーザーの航行ができなくなるため、雨季(5月~10月末)限定のサービスとなる。