篠田桃紅さんがすごい
18年1月で100歳になるのは、家事評論家として長年活躍してきた吉沢久子さん(98)。このところ著書を連発している。今年に入ってからも、『人はいくつになっても生きようがある。 ―老いも病いも自然まかせがいい』(さくら舎)、『もうすぐ100歳、前向き。 豊かに暮らす生活術』(文春文庫)など。サポートを受けながらも仕事や家事をこなし、健康で明晰さを保つ秘訣を明かしている。
読売新聞の記者が最近、1人ぐらしの吉沢さん宅を訪ねたら、「この心臓はもう100年近く、一度も止まらず動いてくれている。『ありがとう、いつでも休憩していいわよ』って声をかけているの」と、いたずらっぽく笑っていたそうだ。
すでに100歳を超えた人もいる。10月25日、「第29回東京国際映画祭」のオープニングイベントで、レッドカーペットを歩いたのは、日本の女性報道写真家の草分けとして知られる笹本恒子さん(102歳)。今年は「写真界のアカデミー賞」と呼ばれる米国の「ルーシー賞」も受賞した。
さらに上を行くのが書道家の篠田桃紅さん(103歳)だ。このところ、『百歳の力』集英社新書)、『一〇三歳、ひとりで生きる作法』(幻冬舎)、『人生は一本の線』(幻冬舎)など出版が続く。昨年の『一〇三歳になってわかったこと』(幻冬舎)は50万部を超えるベストセラーとなった。
いずれも戦前、戦中、戦後の困難な時代を生き抜き、それぞれのジャンルを切り開いて、働く女性の先頭に立ってきた人だ。国際的な平均寿命の調査によれば、日本は女性が86.4歳で2位、男性が79.9歳で8位。「高齢でも現役」で活躍する日本女性はこれからさらに増えそうだ。