最もカオスな一品は、不気味な絵柄の缶バッジ
もう一つは謎のキャラクターが描かれたプラスチックのメンコのようなもの。裏返すとQRコードがついており、スマホで読み取ると「妖怪ウォッチメダランド」というページにとんだ。同シリーズの関連玩具なのだろう。突如現れた最新のキャラグッズに、ガチャガチャマシンの内部は時間まで交錯した四次元空間なのではないかという気がしてくる。いずれにせよ、使い方も遊び方も分からないので、記者にとってはガラクタの持ち腐れである。
最後の大穴、真っ黒で中が見えないカプセルからは、ダントツで謎の商品が出てきた。小さな缶バッジで、そこに描かれている絵柄が大変不気味なのだ。夜の森に佇む教会のような建物の前に、背の高い男と金髪の少女が立っている。その周囲には十字架に磔にされた女性や、手を縛って木から吊り下げられた女性、棺桶のようなものに閉じ込められた女性など不気味なイラストが描かれている。怖い怖い怖い。なんだこれは。呪いの缶バッジか。えんがちょえんがちょ。
うーん。5つ全て、もれなくガラクタだった。されど一つ一つに物語を感じる、味わい深いガラクタだった。かつてはお小遣いをはたいて掴まされたガラクタに意気消沈したものだが、今やってみるとツッコミどころが満載で実に楽しいガチャガチャだった。
そもそもプライバシーやセキュリティーに何かとうるさい現代社会を生きる子どもたちに、「盗聴器!」と堂々と銘打った商品が手の届く場所に溢れていた時代があったなど信じられるだろうか。ほぼ絶滅しかけている、古き良き(?)日本の一風景を見た気がした。