正体不明のしょっぱいオモチャたち
四ツ谷の街中でこのマシンを見つけた時、記者の脳裏に幼少期の苦い思い出がフラッシュバックした。値段は1回100円。300円以上のカプセルトイが珍しくないこのご時世ではまず成立しない商品だろう。
早速、5回連続で引いてみた。持ち帰って並べてみると、まずカプセルの種類からしてバラバラ。カプセルから透ける中身をちらりと見た時点で、すでに残念クジ臭がプンプンする。写真右端のカプセルだけ中身が見えないが、振るとカラカラと乾いた音がするので当たりの可能性は絶望的だろう。
まず出てきたのは、謎のクリスタルキーホルダー2種。ダイヤモンドカットのような加工が施されたプラスチックのボールに、キーホルダーがついただけの雑な商品だ。ボールの底には何やらシールが貼ってあり、反対側のレンズ状の窓から中を覗くと、イラストが浮かび上がる仕掛けになっている。
中を覗くと、一つには三人組の男が描かれており、「だんごや三人衆」という文字が見える。もう一方には顔の長い女の子が描かれており「さくらもちや三人娘」とある。おそらく、20世紀が変わる直前に一世を風靡したあの和菓子三兄弟を意識したパチもん商品だろう。作られた年代が推察できる考古学的なガラクタと言える。
続いてこちら。外見は消化器を模したオモチャのようだが、「MADE IN CHINA」という刻印以外に何の手がかりもない。突き出した部分はバネ式でプッシュすることができ、ここから正体の予想がついた。水をためたコップの中で何回かボタンをプッシュすると、思った通り内側に水が充填され、水から出してもうワンプッシュするとか細い水流が噴出孔(?)から飛び出した。水鉄砲である。
ただ、水を入れるためのフタなどはなく、あくまでボタンのポンプを使わないとリロードできない。そして、ボタンをプッシュすると同時に水も外に出てしまうので、いつまでたっても満タンにならないという無限階段のような矛盾をはらんだ代物だ。大変遊びにくく、かつ盛り上がりに欠ける。世の中にこんなにしょっぱい水鉄砲があったとは。