あらゆるモノに通信機能を持たせる考え方「IoT」(Internet of Things)をテーマにしたイベント「IoTカンファレンス」が東京ミッドタウン(東京・六本木)で2016年10月18日に開かれ、実業家の堀江貴文さんや作家エージェンシー「コルク」を運営する佐渡島庸平さん、エスキュービズムの薮崎敬祐社長が対談した。
生活の利便性を高めるとして、今、さまざまな企業から熱い視線を浴びているIoT。ネットビジネスの最前線で活躍する3人は今のブームをどう見るのか。
ホリエモン「つまらない仕事はどんどんIoT化すべき」
ビジネス誌などを中心にIoTの特集が相次いで組まれる中、対談ではIoTでの注目分野、IoTが起こす社会変革について、議論が交わされた。
堀江さんは、セグウェイをはじめとした「パーソナルモビリティー」やビットコインでの「株取引」といった分野にIoT化の可能性を見出す。
「既存の大きな産業がボロボロ失われ、バーチャルな仮想国家すら成立するかもしれない」と未来を予想し、
「僕たちの先祖は稲刈りとか面倒くさい、つまらない仕事をやってきた。それを解決してくれるのがIoTだ。僕たちはつまらない仕事をどんどんIoT化すべき。これまでソフトウェアでできなかったことをハードの世界に広げてくれる」
と結んだ。
一方の佐渡島さんは、社内研修などをゲーム化する企業が増えていることに言及し、「IoTの普及によって、リアルの場所を何かに見立てて遊ぶ、単調な作業を何かに見立てて面白がる、という傾向はますます強くなっている」と指摘。
自身の携わるエージェントビジネスと絡めて、ストーリー設計の点で作家が関われる可能性を語った。
そして最後には
「まったく予想しなかった生き方が当然になってくる。お金が信頼になるのではなく、信頼自体が社会を生きる上で必要不可欠になる」
と新しい価値観を提示した。
06年の創業以来、IoTを駆使したサービスを提供し続けているエスキュービズムの薮崎社長は
「IoTによって国の制度も変わっていく。ITを使いこなせる人と使いこなせない人の生産性の違いはますます顕著になっていくだろう」
と語った。