「世界パスタデ―」――売れているのが、おいしい料理だ 世界中で愛されているパスタの秘密

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古代小麦からもうひとつの祖国

『パスタの歴史』(著・シルヴァーノ・セルヴェンティ、フランソワーズ・サバン、監・飯塚茂雄、小矢島聡、訳・清水由貴子、原書房)
『パスタの歴史』(著・シルヴァーノ・セルヴェンティ、フランソワーズ・サバン、監・飯塚茂雄、小矢島聡、訳・清水由貴子、原書房)

   パスタとは何か。その歴史とは――。『パスタの歴史』(著・シルヴァーノ・セルヴェンティ、フランソワーズ・サバン、監・飯塚茂雄、小矢島聡、訳・清水由貴子、原書房、4104円)は、パスタの歩みと世界的な広がりを1冊に収めた画期的な著作である。

   単なるグルメの話ではない。パスタのお勉強の本だ。古代小麦からはじまり、原料、種類、調理方法のみならず、生産技術の変遷、社会情勢や国際的動向まで網羅的に捉え、多面的に解説している。

   目次をみると、「パスタの誕生」から「手づくりパスタから機械生産へ」「工業生産の時代」と続き、「国境なきパスタ」「飽食の時代」へと国を越え、「中国――もうひとつのパスタの祖国」に辿り着く。著者のシルヴァーノ・セルヴェンティ氏は食品及びフランス・イタリア料理の風習や食べ物に関する歴史学者。フランソワーズ・サバン氏は中国研究家で主にアジアとヨーロッパにおける食の歴史と人類学を対象としている。

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