トビウオ「ついて来れるか?俺の飛距離に!(デジャヴ)」 狂気のあごだしキャンペーン、再び

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   和風調味料を手がける久原醤油(福岡県)が、「トビウオの飛距離」を体感するプレゼントキャンペーンを今年も行う。今回は昨年から飛距離が200m追加され、600m分のスマホ画面スクロールをしないと応募フォームにたどり着けない。

   キャンペーン開始の2016年10月24日に実際にトライしたところ、改めて企画のクレイジーさが浮き彫りになった。

トビウオになって海面をひたすら飛ぶ
トビウオになって海面をひたすら飛ぶ

   今年は200m距離を追加。さらに苦行に

あごだしは九州で広く使われる調味料
あごだしは九州で広く使われる調味料

   久原醤油は2015年11月に同社のあご(トビウオ)だし商品PRのため、10日間毎日抽選で5万円が当たるキャンペーンを実施した。一見太っ腹な企画だが、ふたを開けてみると

「応募資格はトビウオの最大飛距離400m分スマホ画面をスクロールすること」

という狂気のチャレンジつきだった。

   応募フォームにたどり着くまで30~40分ほどかけて画面をスクロールし続けなければならないという苦行にもかかわらず、5万通も応募が集まるほど盛況だったという。

多分、「たぶん」をつけなくても世界最長
多分、「たぶん」をつけなくても世界最長

   2回目となる今年は、昨年よりさらにスクロール距離が増えて600mに。200m上乗せされた理由は、企画担当者がウィキペディアの「とびうお」のページに

「大型のものであれば600m程度滑空するものがある」

という項目を発見してしまったからだという。200m延びたお詫びとして、賞金も1万円アップの6万円となった。

    いざチャレンジをスタートすると、最初はスクロールの感覚をつかむのが難しく、画面の流れが止まってしまったり、1回のスクロールで進む距離にばらつきがあったりと、なかなかうまく進まない。開始5分で進んだ距離はたったの30m。改めて600mの果てしなさを実感する。

途中で飛距離トリビアなんかも出てくるが、基本はずっと海
途中で飛距離トリビアなんかも出てくるが、基本はずっと海

途中から人生について考える哲学タイムが始まる

   画面は中央に固定されたトビウオのイラストと、スクロールで流れていく海面が延々と続く。たまにトビウオに関する豆知識などが出てくるが、基本的に画面に変化はなく単調だ。はじめのうちはスクロール速度をあげるため、スマホを立ててみたり、画面を逆さまにしてみたり、指を変えてみたり、両手の指を使ってみたりと試行錯誤を繰り返した。

   ただそれも200mほど進んだところで飽きてしまい、折り返しの300mを通過する頃(開始から20分ほど)にはだんだん視界がぼやけ、果たしてトビウオが前に進んでいるのか、後ろに進んでいるのかも分からなくなってくる。

   長い。長すぎる。トビウオよ、君は一体どこまで飛べば気が済むのだ。

いつの間にか画面も夜の海になっていた
いつの間にか画面も夜の海になっていた

   400mを超えたあたりで、心は液晶画面を離れ宙(そら)へ。気づけばこれまでの人生を一つ一つ振り返る哲学タイムに突入していた。ああ私はいったいどこで道を間違えてしまったのか。

   終わりの見えない自問自答を繰り返し、画面をスクロールする指先がプルプルと痙攣し始めた頃、突如目の前が金色に光った。

「朝だ!朝が来たんだ!」

   ここで距離を確認すると、550mを突破していた。そのまま朝日に照らされてキラキラと輝く海面を進んでいくと、終了間近を知らせるバナーが出てくる。もう少し。もう少しだ。

   そして迎えたゴール。完"飛"までにかかった時間はなんと55分08秒。小一時間も画面をスクロールしていたことになる。感覚としてはもっと長かったような気もするし、逆にあっけなかった気もする。体感時間は体や精神のコンディションによってだいぶ左右されそうだ。

   ただ一つ言えるのは

「スクロールする時間はただひたすら不毛」

だということ。6万円ゲットにかける高揚感もあるといえばあるが、一人で完遂するのは大変キツい。皆でワイワイやるなど、心の負担を軽減する工夫をするのも良いかもしれない。

   キャンペーンは11月2日まで。

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