バンダイナムコエンターテインメントによるVRエンターテインメント研究施設「VR ZONE Project i Can(VRゾーンプロジェクト アイキャン)」が大盛況のうちに幕を閉じた。2016年10月のPlayStation VRの発売を始め、エンターテインメントとVR(ヴァーチャルリアリティ)技術の融合に注目が集まる中、今回の取り組みにはどんな反響があったのか。
リアルすぎるVR映像に、開始早々ギブアップする人も
VR ZONEは2016年4月15日から10月10日まで、東京お台場の「ダイバーシティ東京プラザ」で行われた。人気アニメ「機動戦士ガンダム」の世界に入り込む感覚を体験する「ガンダムVR ダイバ強襲」や、高層ビルの上にかけられた板を渡って猫を助ける「高所恐怖SHOW」、車いすにのって恐怖の病院を徘徊するホラー作品「脱出病連Ω(オメガ)」など、多彩なコンテンツを揃え、開催期間中は連日予約満員、のべ3万7千人が訪れた。
高所恐怖SHOWではリアルすぎる高所映像に開始早々ギブアップする人や、逆に落ちるとどうなるかを試すため、足場からダイブしてしまう人が出るなど、各コンテンツで参加者による珍事も起きたようだ。
プロジェクトの推進役を務めた「タミヤ室長」ことバンダイナムコエンターテインメントの田宮幸春さんは、今後VRコンテンツがゲームとしてではなく「アクティビティ」として定着するとみている。
「VRは『体験』そのものなので、ゲームをしようではなく、遊びに行こうなんですよね。例えば旅行に行こうとか、ドライブをしよう、泳ぎに行こう、というようなレジャー的な感覚がVRです」
VR ZONEの反響を受けて、バンダイナムコエンターテインメントは今後も新規事業としてVRコンテンツの開発を本格的に進めていく方針だ。