ニコンは2016年10月14日、コンパクトデジタルカメラ「COOLPIX B700」を発売する。本機の特徴はずばり「超望遠」。広角24mm相当から超望遠1440mm相当(35mm判換算)の画角をカバーする、超高倍率ズーム機能を搭載する。光学ズームと電子ズームを合わせた最大倍率は約120倍だ。
それでいて1cmのマクロ撮影(接写)が可能なので、例えば食べ物を記録したい場面で重宝しそう。突起部を除くサイズは125×85×106.5(mm)、電池とSDカードを含む重量は約570g。光学60倍ズームクラスでは世界最小・最軽量をうたう。
ズームマイクは近くの音も遠くの音もクリアーに拾う
本機をムービーカメラ代わりに使いたいと考えている人もいるだろう。ズームレバーは左右2か所あり、右手でも左手でも操作できるよう配置されている。液晶モニターは3型張りアングルで向きを自在に変えられる。カメラを高い位置に掲げて撮影するとき、構図を確認するのに便利だ。
最長約7分ながらステレオ音声付き4K UHDムービー撮影が行える。動画の撮影中にシャッターを切ることで、静止画の切り出しもできる。マイク端子はないものの、広角では近くの音、望遠では遠くの音をクリアーに録音するズームマイクが付いている。
最短約0.09秒の高速AF(オートフォーカス)は撮りたい瞬間を逃さない。撮影タイムラグの短さも売りの一つで、全ズーム域でシャッターボタンを押し込んだ、ほぼその瞬間を撮影できるという。解像度は有効2029万画素。
ISO感度はそれほど高くない。通常は100~1600で、P(プログラムオート)/S(シャッター優先オート)/A(絞り優先オート)/M(マニュアル露出)の4モードに設定したときは3200まで。レンズの絞り値(F値)はf/3.3~6.5となっている。
その一方、超望遠撮影時も適正露出で手ブレのない鮮鋭感の高い写真が撮れる「レンズシフト方式手ブレ補正(VR)機能」や、暗い場所でも被写体の人物をしっかり撮れる「夜撮りキレイテクノロジー」を搭載した。仕様だけ見ればいわゆる「暗いレンズ」ではあるものの、さまざまな最新技術でカバーしているという見方もできる。
ニコンの新サービス「SnapBridge」にも対応する。手元のスマホまたはタブレットとBluetoothで常時接続することができ、同社のクラウドサービス「NIKON IMAGE SPACE」に自動アップロードして、そこからSNSに簡単に投稿できる仕組みも用意されている。
本機は当初、今年4月に発売される予定だった。ところがソフトウェアのチューニング調整に時間がかかり7月に延期。さらに熊本地震の影響で部品の調達に遅れが生じたため、再延期となっていた。
頑丈さでは定評のあるニコン。タフなシーンで超望遠撮影をしたいとき、デジタル一眼レフが重たいと感じるとき、あるいはレンズチェンジがわずらわしいと思ったとき、選択肢に挙がる1台といえよう。
価格はオープンプライス。多くのECサイトでは5万円から5万3000円程度で予約を受け付けている。