禁煙絶対主義ではなく「害の少ないたばこ」という選択肢を ハーム・リダクションに関する意見交換会が開催

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   アルコールおよび依存・嗜癖(しへき)に関する総合的な研究を行う、日本アルコール・アディクション医学会は2016年10月7・8日、タワーホール船堀(東京都江戸川区)で学術総会を開催した。今年のテーマは「ハーム・リダクション(Harm Reduction)」――直訳すると「危害の低減」。健康被害や危険をもたらす行動習慣をただちに止めることができない人に対し、その行動に伴う実害を極力少なくすることを目的として、よりリスクの低い代替品を提供すべきという考え方だ。

   同総会の2日目、たばこのハーム・リダクションに関する講演および意見交換会が行われた。ランチョンセミナーは「IQOS(アイコス)の科学的評価」。昨年9月にフィリップ モリス ジャパン(PMJ)が発売した加熱式たばこ「IQOS」のリスク低減可能性について、毒性試験や臨床試験を含め、喫煙関連疾患発症リスクの低減を実証する科学的研究を継続的に実施していることが明らかにされた。

  • フィリップ モリス ジャパン(PMJ)から15年9月に発売された「IQOS」
    フィリップ モリス ジャパン(PMJ)から15年9月に発売された「IQOS」
  • シンポジウムの様子
    シンポジウムの様子
  • フィリップ モリス ジャパン(PMJ)から15年9月に発売された「IQOS」
  • シンポジウムの様子

イギリス保健省が注目すべき報告書を昨年発表

   従来の紙巻きたばこは600~800度の火でたばこの葉を燃やす。その過程でさまざまな有害な化学物質を発生させ、喫煙者の健康に害をもたらす。これに対し「IQOS」は電気で葉を加熱し、温度は300度程度にとどまる。煙が出ず、有害物質の発生は大幅に削減される。もちろんゼロになるわけではない。

   イギリスの保健省は15年9月、喫煙関連の病気を引き起こす有害成分が「電子たばこ」に含まれているものの、その量ははるかに少なく、実際のたばこに比べ最大で約95%健康被害が低いとする報告書を発表した。ただし電子たばこの市場参入は比較的最近であり、長期的な影響についてはっきりと関連性が示されたとは言いがたい。

   疫学データを蓄積・評価する重要性は以前にも増して高まっている。フィリップ モリスインターナショナル(PMI)は「IQOS」の発売後もRRP(Reduced Risk Products、リスクを軽減する可能性のある製品)の長期的な臨床実験を続けている。徹底的に調べることで世界中から挙がる懸念を払拭し、「IQOS」をRRPとして世界中に普及させたい――。そんな同社の狙いがにじみ出ていた。

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