縄文人と弥生人の実像とは
二重まぶた、太眉、厚唇の立法的な縄文人。一重まぶた、細眉、薄唇の平坦な弥生人。日本人のルーツはこの2つのタイプといわれてきたが、科学的な検証によって書き換えが必要になってきたようだ。
『骨が語る日本人の歴史』(著・片山一道、ちくま新書、886円)によると、縄文人は南方からやってきたのではないし、大陸から渡来した弥生人が縄文人を駆逐したというのも本当ではない。そもそも「弥生人顔」など存在しない――。
発掘された古人骨を調べ、当時の人の様子を明らかにする「骨考古学」の第一人者、京大霊長類研究所教授などを歴任した片山一道博士が日本人の実像に迫る。昨年(2015年)5月の刊行以来、静かなブームになっている。