旅の楽しみ方はみんな違っているからおもしろい
旅とレジャーのエッセイを中心に執筆を続ける宮田珠己氏の『日本全国津々うりゃうりゃ』(著・宮田珠己、幻冬舎、745円)。日光東照宮では「眠り猫」よりも「幻のクラゲ」探しに精を出し、しまなみ海道では大潮の日に山のように盛りあがる海を求め、船に乗る。名古屋で歴史ある珍妙スポットを続々と発見したかと思えば、なんと自宅の庭一周の旅まで! どこに行っても寄り道と余談ばかり。これぞ旅の醍醐味という爆笑の日本巡りが展開する。
「秋山郷、十日町-国境の長いトンネルを抜けたんだからそこは外国」「日光-東照宮にクラゲはいるか」「大陸ーと言っても過言ではないうちの庭」「天草-台風は悔い改めよ」「志賀島-海の危険生物に関する考察と警告」「神津島-東京で砂漠を見にいく」「千里-ふるさとはニュータウン」など、あらたな旅の姿が見えてくる。