日立ジョンソンコントロールズ空調(東京都港区)は2016年9月6日、家庭用ルームエアコン「ステンレス・クリーン 白くまくん」Xシリーズの17年度モデルを発表した。全11機種を16年10月末に発売する。
室内環境を見守る「くらしカメラ」の進化がすごい
家庭用から業務用まで多種多様なエアコンを手がける同社にあって、Xシリーズはルームエアコンの最上位モデルに位置付けられる。室内環境を認識する「くらしカメラ」は13年度モデルから搭載された。14年度が「ツイン」、15年度が「3D」、16年度が「4(レンズ)」とステップアップし、17年度モデルは「AI」に進化した。
AIは2つの業界初をうたう。「人識別技術」は在室者一人ひとりの頭や顔、服、活動量、位置を検知するとともに、在室時間による体感温度の変化を予測する。識別技術は高度なもので、ある人が部屋を出入りしてもおよそ10分以内なら同一人物と認識する。また同じ位置に数人が入れ替わるような場合も一人ひとりを見分ける。最大15人まで識別可能。こうしたデータをもとに各人の体温に合わせた気流を生み出す。
日立のルームエアコンといえば強力な除湿機能で知られる。しかも「再熱方式」を採用することで、寒くならずに除湿することができる。
新開発の「湿度カメラ機能」は、室内の湿度分布を算出し、たとえば感知した洗濯物に向けて乾いた風を優先的に送る。同社が「ランドリー除湿」と呼ぶこの機能は、ぐずついた天気が続く冬の北日本エリアで効力を発揮しそうだ。
暖房機能も強化された。運転スタート時は人のいる方向に吹き出し、足元を中心に暖める。人の周囲が暖まったら、部屋の間取りに合わせて風をスイングさせ、部屋全体を暖める。
貫流ファンの前面にあるパーツ「新3Dフロントノーズ」に秘密がある。段のついた形状となったことで、吹き出し口左右端まで有効に風を送り出せるようになった。広いリビングのある一戸建てにピッタリのエアコンといえるだろう。
価格はオープンプライスで、店頭予想価格はRAS-X22Gが24万円前後(税別)。
同社は、日立製作所の家電部門を担う日立アプライアンスとアメリカの空調機器メーカー、ジョンソンコントロールズの合弁会社として、15年10月に設立された。発足してはじめての製品発表会ということもあり、会場には大勢の報道陣が駆け付けた。
発表会の終盤、日立ルームエアコンのマスコット「白くまくん」も姿を現わし、出席者の視線を一身に集めた。横の女性モデルより身長は低くて、小学校低学年といってもいいくらい。「可愛い」という声があちこちで挙がり、気を良くした白くまくんは出席者のリクエストに応じてさまざまなポーズをとった。