「原石」を探し求めるスカウトの眼力
甲子園や神宮球場で活躍した選手を獲得しても、プロ野球で成功するとは限らない。その点、広島カープは無名選手を育てあげるのが上手といわれてきた。全国津々浦々から「原石」を探し出したスカウトたちのおかげだろう。
『惚れる力 ― カープ一筋50年。苑田スカウトの仕事術』(著・坂上俊次、サンフィールド、1500円)は、数々の選手を発掘してきた伝説のスカウト、苑田聡彦氏の仕事の流儀とドラフトの秘話である。
黒田博樹、金本知憲、江藤智、丸住浩、福井優也・・・歴代の「赤ヘル軍団」の面々をどのように発見し、どのように心を動かしたのか。苑田氏は福岡県出身で三池工からカープに入団、1975年の初優勝に貢献しその後スカウトに。著者の坂上俊次氏は中国放送(RCC)アナウンサーで、『優勝請負人 スポーツアナウンサーが伝えたい9つの覚悟』で第5回広島本大賞を受賞している。