今もブラジル・クラシック音楽の英雄
組曲第2番の4曲目には、「トッカータ:カイピラの小さな汽車」という題名がつけられています。室内オーケストラで演奏されるこの曲は、音で汽車の動きを描写したものとなっています。オネゲルの「パシフィック231」を意識しています。小さな汽車、と書かれていますが、圧倒的なヴィラ=ロボス・サウンドは、ブラジルの大地と力強さを感じさせます。小さいことにはこだわらず、巨大な力を発揮するブラジルという大国の底力を感じさせます。オリンピックを思い返しながら、ブラジルの力を感じるのに最適な曲です。
ブラジルという巨大な国は、時々、巨大な才能を生みます。リオの音楽院の院長も務めたヴィラ=ロボスは、今もブラジル・クラシック音楽の英雄です。