今後の重要課題は「流通」「売れる新商品」
異なる漁業文化を育んできた相双といわき。それが東日本大震災をきっかけに、結束して「常磐もの」を売り出す。今回のセミナーでは郷土料理の「ホッキ飯」「ウニの貝焼き」に加え、6次化商品の「イナダの漬魚」「イカメンチ」「ツブの生姜煮」「どんこの肝つみれ汁」が提供された。
「イナダの漬魚」は、出世魚として知られるブリの幼魚・イナダを漬け込んだもの。「イカメンチ」は季節を問わず水揚げされるイカの食感が味わえる揚げ物だ。「ツブの生姜煮」は、相馬の漁師の妻たちが家庭料理にヒントを得て開発した。「どんこの肝つみれ汁」は、船中のまかない食として作られていたものを相馬の若手漁師仲間が商品化した。
これらのプロジェクトに取り組む女性たちがトークセッション2部に参加した。相馬双葉漁業協同組合・女性部相馬支部の佐藤靖子さんと同女性部鹿島支部の桑折澄子さんは、「浜のかあちゃん」こと漁師の妻たちのまとめ役でもある。「常磐ものの、おいしい魚が(福島の)プライドです」と胸を張り、相馬に来て自慢の味を直接確かめてほしいとアピールした。
「10月1日、相馬原釜地方卸売市場で『原釜まつり』が県主催で開かれます。『つみれ汁』や『ホッキ飯』を用意しますので、ぜひいらしてください」