福島県は2016年8月18日、東京都内において漁業復興セミナーを開催した。郷土料理や地元の漁協関係者が考案した新メニューがふるまわれ、海の幸を活かした福島グルメに出席者は舌鼓(したつづみ)を打った。
相馬といわきを核に進む、漁業関連施設の復興
福島県内における漁業エリアは2か所に大別される。北部の相馬・双葉地方(相双地方)と南部のいわき地方だ。震災前、相双地方は沿岸漁業や青のり養殖が盛んで、県内トップの水揚げを誇る松川浦漁港(相馬市)が一大拠点。一方のいわき地方は沿岸漁業のほか沖合漁業も行う。いわき地方最大の魚市場がある小名浜港は観光地としてもにぎわう。
東日本大震災は一帯の漁業に大きな被害をもたらした。漁船や漁港、養殖施設、共同利用施設、加工流通施設が被災する。津波によって大量のがれきが海になだれこんだ。
相馬といわきを核に、漁業関連施設の復興が進む。16年9月18日、松川浦漁港で「相馬原釜地方卸売市場」が落成する。これで震災前の機能を取り戻せると、同漁港関係者の期待は高い。今年の2月18日には「相馬市磯部水産加工施設」が竣工した。いわき地方では「新・小名浜魚市場」が1年半前に稼働を開始した。