毎年恒例の日本モンサント圃場見学会が今年も茨城県で開催された。この見学会は、遺伝子組換え(GM)作物やラウンドアップ除草剤といった何かと話題になりがちなモンサント製品の安全性や特性を正しく理解してもらうために、毎年夏に開催されている。言論プラットホームブログ「アゴラ」との共催となった2016年8月9日の見学会には、ホームページやFacebookを通じて応募のあった約20名が参加。日本モンサントの活動や遺伝子組換え(GM)作物に対する関心の高さが窺えた。
世界の農業とモンサントの関わりをレクチャー
見学会は座学からスタート。日本モンサント山根精一郎社長の挨拶の後、広報部佐々木幸枝部長が農業生産性の向上と資源の保全、温暖化対策などを実現していく、モンサントの農業技術のプラットフォームについて説明、その技術の1つとしてのGM作物の基本をレクチャーし、安全性やメリット、今後目指していく農業との関わりなどについてわかりやすく解説した。
続くアゴラ研究所・池田信夫氏によるミニ講演「日本に必要な農業革新」では、先日アメリカの穀物事情を視察してきたというジャーナリスト・石井孝明氏も加わり、アメリカの農業の現状や日本の農業の問題点などに斬り込み、国際競争が激しくなる中での、新しい農業技術の必要性について議論した。
全体を通じて、参加者からは、GM作物をはじめ、農業技術の改革に対して前向きな意見が出されたほか、ネット等でモンサントやGM作物について大企業陰謀論や、製品の危険性をあおるような誤った情報が多く見られることについて、ネット情報を見る側のリテラシーの問題なども指摘され、議論は大いに盛り上がった。