東京都の舛添前知事が不適切なカネの使い方などで辞任した。選挙権が18歳に引き下げられて初めての国政選挙だった参院議員選挙と並んで都知事選が急きょ行われる。いつの世も多くの問題は政治と密接に絡んでいる。今週はそんな政治について考える3冊。
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山本七平が見た怪物政治家・田中角栄の功罪
2016年1月に刊行された石原慎太郎氏の著書「天才」(幻冬舎)によって今もことあるたびに話題にのぼる政治家、田中角栄氏。評論家、故山本七平氏が彼をどう評価していたか。それは『「御時世」の研究』(文藝春秋刊行、1986年)に記されているが、このほど『田中角栄の時代』(著・山本七平 1350円、祥伝社)として復刊した。当時の田中氏は、逮捕保釈後も圧倒的影響力を持ち続け、総選挙で22万票を集めた。が、病に倒れ、以後急速に影響力を失っていく。本書は総理になるまで、また総理・政治家としての功罪を冷静な視点で分析する。
「角栄の御時世(午後三時の太陽 角栄が『家康』に見えた日、『暖国政治』への挑戦者、『角栄』を育てた雪国の黒衣たち、ナショナル・リーダーの落第生)」、「早すぎた新聞の弔辞」。