6月27日は「演説の日」。明治7年(1874年)に福沢諭吉が慶応義塾の三田演説会で日本初の演説会をした日だ。ちょうどいま、参院選がたけなわで全国各地で演説が繰り広げられている。政治家の演説は当落に左右されるが、政治家でない人たちもスピーチをしないで済ますことはできないだろう。仕事もあれば付き合いもある。口下手で損しないように話し方や会話力を磨くための3冊を紹介する。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
性格やハートに影響されない話し方
レポートはスラスラ書けるのに、口で伝えるのはどうしてうまくいかないのか。大勢の前でのスピーチや上司へのプレゼンは苦手という人が多い。
『口下手な人は知らない話し方の極意 認知科学で「話術」を磨く』(著・野村亮太、821円、集英社)は、口下手について科学的に考える。人間の意識や思考のしくみを研究する認知科学によって、話し方のメカニズムが分ってきた。性格やハートの強さに影響されず誰もが合理的な話術を実践できるようになった。その極意を伝えようというわけだ。
認知科学は難しいが、著者の野村亮太氏は落語の分析で話し方のメカニズムを解明する研究者。目次には「話術と認知科学」「顧客(聞き手)の反応を感じ取る」「舞台に立つ前に作る話の構造」「間と場の定義と実証的研究」など興味深いテーマが並んでいる。