雨の日にビーニル傘を持って外に出たものの、強風にあおられ一瞬で傘がおじゃんになってしまった。誰しも一度は経験がしたことがある失敗ではないだろうか。「コンビニで買ったばかりの傘が店を出たとたんに...」「まだ駅までずいぶんあるのに傘がスクラップに...」タイミングによっては傘と一緒に心も折れることもしばしば。
化粧品などを販売する長寿乃里(横浜市)は「敢えて折れる構造」という逆転の発想で、風圧でひっくり返っても壊れない傘「ポッキー」を発売した。
日本洋傘振興協議会によると、日本の傘の年間販売数は約1億3000万本で、世界で最も多いと言われる。6割にあたる8000万本がビニール傘で、そのうち5000万本が捨てられていると推定される。特に梅雨や台風シーズンになると折れて捨てられた傘を町のそこかしこで見かけるが、強風に弱く壊れやすいことがビニール傘の廃棄量増加の一因でもあるのだ。
ポッキーは親骨の関節部分にヒンジ(蝶番)が設置されている。これにより強風などで骨が反転してもジョイントが外れず、いったん傘を閉じてから差しなおせば元に戻る構造になっている。また、強風時に敢えて骨が折れる仕組みになっていることで傘の強度を上げただけでなく、使用者が風にあおられた傘に引きずられて転倒したり、飛ばされるといったアクシデントも起きにくい。
価格はオープン。