米航空宇宙局(NASA)は、「過去最も暑い年」になる可能性があると発表した(CNN.co.jp2016 年5月17日)。今年も日本の夏は蒸し暑くなりそうだ。シュワシュワと喉越しの爽やかな炭酸飲料がおいしい季節。アルコール飲料も、ビール類をはじめ、日本では2008年頃からブームに火がついたウィスキーハイボール、スパークリングワインや酎ハイなどの割合も高く、発泡性のお酒を好む人は多い。
焼酎のシェアトップの宝酒造(京都府)は、これまでロック、水割り、お湯割りが主流だった芋焼酎についても飲み方バリエーションに"シュワッ"とするのも合うとして炭酸割りを薦めている。スッキリした味わいになるだけでなく、豊かな香りを楽しむことができるという。
冷たくても香り豊かな仕上がりに
暑い季節になると、冷やしたお酒の需要が高まる。その理由を酒文化研究所の山田聡昭氏は「お酒は冷やすと揮発成分が閉じこめられ香りが弱まってしまうが、炭酸で割ると炭酸ガスが香気成分を解放して香りが強調される。水割りと比べてみれば香りの立ち方は歴然だ。炭酸割りは、昨今のワインブームやクラフトビールブームの一因である『お酒の香り』への関心の高まりと、冷やしてスッキリ飲みたいというニーズを両立させる」と説明する。
宝酒造は、焼酎の中でも独特の香りを持つ芋麹と芋で作る「芋100%」製品の「一刻者」の炭酸割りを薦めている。
多くの芋焼酎が米麹を使って作られる中、一刻者は米麹に比べて作るのが非常に難しいとされる芋麹を使用しており、雑味を抑えたすっきりとした味わいが特徴だ。これを炭酸で割ると、芋本来の華やかな香りがしゅわっと弾け、爽やかなのどごしになるという。
京都弁のはんなりした話し方で知られる料理研究家の大原千鶴さんは一刻者炭酸割りを「芋だけと言ったら臭いが強く出るようなイメージでしたが、戴いてみるとこれが逆にすごく上品な味わい。炭酸割りでぐびぐびと飲め、それでいて香りはしっかり立っているのでびっくり。焼酎好きを唸らせる逸品です」と評している。
日本ソムリエ協会の名誉会長・岡昌治氏は「私がおすすめする飲み方は、アペリティフとして。香りの良さが強く感じられ、えぐみもないので、食前酒として楽しめます。又、お料理と共に楽しまれる場合は、ハマチのお刺身やカルパッチョなどと一緒にいかがでしょうか? 舌に残るハマチの脂分も洗ってくれるような感じで後味もすっきり。それでいて舌を転がるような『一刻者』の余韻も楽しめると思いますよ」と勧めている。