ロボット掃除機は日本の家電業界で激アツな商品の一つだ。アメリカ・アイロボット社の「ルンバ」はその代名詞というべき存在で、日本や本国のアメリカではもちろん、諸外国でも圧倒的なシェアを有する。
アイロボットの日本総代理店であるセールス・オンデマンドは2016年6月2日、「ロボット掃除機利用経験者調査」の結果を発表した。調査に協力した600人のうち76.5%が「満足している」または「概ね満足している」と回答した。
同社は15年、日本記念日協会から認定を受けて、6月8日を「ルンバの日」に制定した。6と0と8で「ル(6)ン(0)バ(8)」と読む語呂合わせに合わせだ。制定から1年――ロボット掃除機利用者の満足度を公表することで、その便利さを広く知ってもらい、市場をさらに拡大する狙いがあると見られる。
単なるマシンを超えた存在に
調査は16年5月13日から15日までの3日間、全国の30歳から59歳までの既婚男女600人を対象にインターネット経由で行われた。所有する製品名や使用歴は不明。
「ロボット掃除機の必要度について、最も近いと思われる回答を1つお選びください」という問いに対しては、25.0%が「ロボット掃除機が生活に不可欠」、47.5%が「ロボット掃除機を必要とすることが多い」とそれぞれ答えている。「ロボット掃除機はあまり必要でない」は23.8%、「ロボット掃除機はまったく必要ない」は3.7%にそれぞれとどまった。
次の設問「家事を自動家電やロボットに任せたいと思いますか」に対する反応も興味深い結果だった。26.5%が「出来るなら全ての家事をロボットや自動家電で任せたい」を選び、41.5%が「概ねの家事はロボットや自動で任せ、一部を自分で行うくらいがいい」と答えた。「自分で家事を行うことが中心だが、一部をロボットや自動で任せたい」も28.7%いた。「家事は自分でやるほうがいいので、家電任せにしたくない」は3.3%しかいなかった。
今回のアンケートでは、ロボット掃除機があってよかったと感じるエピソードについて、協力者が自由に記入する欄もあった。
「掃除の手間が省けた」という当然の意見から、「どちらが掃除をするかで夫婦ゲンカすることがなくなった」と"感謝"を伝えるもののほか、「残業して帰って来ると家族は寝ていてもルンバだけが動いていていじらしかった」「健気に働く姿を見るとその時間、自分も一緒に、他のことをして働きたくなる」という書き込みも。
家電を購入する際、ほとんどの人は機能や価格、デザイン、メーカーやブランドを基準に選ぶ。アイロボットは家電メーカーではないが、ロボット専業メーカーとして25年以上の歴史をもつ。ルンバの動きは賢くてしかも人間的なのは、地雷除去を目的とした軍事用ロボットから技術転用しているから。人工知能やセンサーを搭載することで、部屋の隅々までキレイにしてくれる。
もちろんロボット掃除機はアイロボットだけではない。三角形の「ルーロ」(パナソニック)、360度カメラを搭載した「360Eye」(ダイソン)、駆動音が静かな「ボットバック」(ネイト ロボティクス)、薄型設計の「トルネオロボ」(東芝)、本体径が小さく狭い住宅にマッチした「ココロボ」(シャープ)と、それぞれ個性的だ。
とくにココロボは「おはよう」「めっちゃいい気分」「ゴミ発見!」「通りまーす」と利用者と会話する機能を搭載している。1人暮らしは寂しいという人には打ってつけだろう。スマホ連携機能も一般化しつつある。
セールス・オンデマンドの目論見通り、ロボット掃除機はわれわれの身近な存在になっていくだろうか。