JRや自衛隊、病院が実力を認めた「水ピタ防水シート」 浸水対策の必須アイテムになるか

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   メッシュ(網目織り)フィルターを製造・販売する「くればぁ」(愛知県豊橋市)は2016年5月30日、浸水対策シート「水ピタ防水シート」を発売した。

   同社のメッシュは空気を通すも水は通さない構造になっていて、花粉症やPM2.5対策用のマスクに使われている。水ピタ防水シートはそのメッシュ素材を応用したもの。玄関やシャッターにテープで貼り付けるだけで準備は完了する。水圧がかかると、シートと壁のすき間を水圧でピタッと埋めて浸水を防ぐ。

  • 「水ピタ防水シート」の公式サイトトップページ
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  • 「水ピタ防水シート」を使った浸水実験の様子その1
    「水ピタ防水シート」を使った浸水実験の様子その1
  • 「水ピタ防水シート」を使った浸水実験の様子その2
    「水ピタ防水シート」を使った浸水実験の様子その2
  • 写真上は一般的なビニールシートで、下が水ピタ防水シート。防水効果に明らかな差がある
    写真上は一般的なビニールシートで、下が水ピタ防水シート。防水効果に明らかな差がある
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  • 写真上は一般的なビニールシートで、下が水ピタ防水シート。防水効果に明らかな差がある

地元の消防本部ともコラボ

   水ピタシートの表面は、テフロンコーティングと耐水圧性を強化するコーティングを2回ずつ施している。裏面は、水が浸水した際に壁面(ガラス面など)に張り付いて浸水を防ぐよう、水がなじみやすいように加工されている。使い捨てではなく、使用後は水で流して天日干しすれば繰り返し使うことができる。

   「水ピタ防水シート」の"旧バージョン"は昨年9月に発売されており、今回の新商品はその延長線上にあるが、異なる成分を使用したことで性能は格段にグレードアップしている。

   同社の中河原毅社長によると、モニター試験で浸水が確認されなかったことから、自衛隊や全国の水道局、病院、商店街、JRで採用が決まったという。

「海抜が低い地域で大雨が降ると建物内に浸水することが多かった。今は雨が降ることが事前に分かっている場合は、毎回くればぁさんの水ピタ防水シートを貼っているが設置に手間がかからず助かっている。画期的な商品で感心している」(兵庫県の水道局)
「設置が簡単で女性でも素早く設置できます。雨は今のところ入ってきていません」(神奈川県平塚市の病院)
「地震で地盤が緩んでいるから雨は一番怖い。年寄りが多いから土嚢は無理。来年は他の商店街でも採用する」(九州地方の商店街組合)
「新幹線を搬送する工場のため、工場に向かい勾配が低くなっている。今までは土嚢(どのう)を使用していた。現在、工場はすべて水ピタ防水シートに変更し、作業が楽になった。短時間で設置でき、置き場所を確保しなくて済む。浸水被害はいまのところ出ていない」(JR東海浜松工場)

   防水機能の高さは、同社が公開しているYouTubeの動画で確かめることができる。水ピタ防水シートは設置面からの水の浸入を許さなかった。

   見た目も大きな改良点がある。愛知県豊橋市消防本部とコラボレーションして、シートの目撃者に注意を喚起する絵柄をプリントした。ゲリラ豪雨や台風などで増水した際、周囲の住民がどこへ避難したらよいか、水位がどこまで増えたら動けなくなり危ないか――ということが一目で分かるようになっている。

   これから全国的に雨量の増える季節に入る。自分の生活圏がいつ集中豪雨に見舞われるか分からない。水ピタ防水シートの用途は広く、公共施設や事業所、小売店舗だけでなく家庭でも力を発揮しそう。価格は140cm幅で長さ1mあたり4980円(税抜)。

   DIYショップやホームセンターでは扱っていない。「くればぁ」のオンラインショップや楽天市場、アマゾン、ヤフー!ショッピングなどで購入可能だ。詳細は公式サイトまで。

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