いまは、いつでも、どこでもスマホカメラだ。火事や事故があればネットに投稿、レストランでもおいしい料理をパチリ、背景に名所があれば自撮り棒を取り出す。何度目かの写真ブームだろう。スマホの機能もずい分よくなった。一方で、一眼レフにこだわる「撮り鉄」もいる。目に見えない存在を写真に写し出すという不思議な話もある。6月1日の「写真の日」にちなみ、写真とカメラについて3冊を紹介したい。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://www.j-cast.com/bookwatch/)」でも特集記事を公開中。
写真の善し悪しはカメラより撮り方次第
「なんでこんなにキレイに撮れるの? プロみたい」。こんなキレイな写真、あなたにもスマホで撮れますよ、というのが『スマホで成功! 売れる商品写真撮影講座』(著・久門易、編・玄光社編集部、2052円、玄光社)のうたい文句。スマホは画質が悪いという人もいるが、いまの画質は十分すぎる水準に達している。写真の善し悪しは、カメラよりも撮り方次第でガラっと変わる。
本書は単なる趣味ではなく、仕事として成功するためのスマホのノウハウをまとめたものだ。スマホと一眼レフの画質はどう違うのか。意外に知らないスマホ撮影の基本、機材と照明は――プロで通用する実践的な方法を説明する。
具体的には、食べ物のおいしさの表現、質感の魅せ方、照明写真とポートレ―トなど、料理、ファッション、雑貨、建築、人物も含めあらゆるジャンルに対応できるガイドブックとなっている。
「1日1鉄!」の鉄道写真家の書き下ろし
『カメラは魔法の小箱です』(著・中井精也、2160円、フォート・ナカイ)は、人気ブログ「1日1鉄!」や「ゆる鉄」シリーズで知られる鉄道写真家・中井精也氏の書き下ろし写真論である。
毎日1枚必ず鉄道写真を撮影する「1日1鉄!」、写真のほか、撮影テクニックや撮影情報、イベントなど月2回届けるメルマガ「ゆる鉄マガジン」もファンにお馴染だ。本書では、撮影時の心構えから構図や露出メソッドから「プロ論」も語っている。
東京生まれで大学は法学部を卒業したが、東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)にも通った。広告や雑誌などに作品を発表するほか、テレビ出演や講演でも活躍している。鉄道の車両だけでなく、駅、自然、風景、人情など鉄道にかかわるすべてを被写体とする。のんびり、ほんわかとした「ゆる」が特徴だ。
見えないものを写真に写し出す
『幸運を呼びこむ不思議な写真』(著・FUMITO、1296円、サンマーク出版)は不思議な本である。著者のFUMITO氏には「見えない存在」が見え、それを写真に写し出すこともできるという。
載っている写真には精霊・妖精、龍、UFO、天使などが不思議なオーブや光、雲として写っており、この不思議な写真を見ることで見えない世界とつながり、無限の可能性が広がるという。目次には、ツキを呼ぶ自然界に存在する「精霊・妖精」、癒しの「生命エネルギー」、見えない世界へ誘う「使者」、夢をかなえる「宇宙エネルギー」などが並んでいる。
東北の神社の家系に生まれ、子供の頃から見えないものに対する鋭い感覚を持ち、やがて成長し、國學院大學で神職の資格を得た。現在はクリエイティブプロデューサーで、空間演出家としても活躍している。