"幸せ絶頂期"の作品、マーラー「悲劇的」 完成後さまざま不幸が降りかかり...

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「古典的」なフォルム...「マーラー節」も人気薄く

   というのも、それまでの彼の交響曲は、「時間のある時に書き足してゆく」という作曲法のゆえか、はたまた、声楽の歌曲と同じような物語を背景に作られることが多いせいか、交響詩に近い自由な形式で書かれていて、(現実に 第1番はもとは交響詩として作曲されていました)冗長だという批判を受けていたのです。

   批判は演奏でも作曲においても気にしないマーラーですが、第6番は、古典的交響曲の形式に寄せて、書いた様子があります。それでも全体では80分かかる大作ですし、カウベルやハンマーなど、独創的な打楽器が出てくるところが「マーラー節(ぶし)」、なのではありますが...。その「古典的」なフォルムのせいか、マーラーの交響曲の中では、比較的人気がありません。

    そして、この曲はタイトルと正反対に、彼のキャリアも充実し、私生活も幸せな絶頂期に書かれているのですが、曲を完成した後、彼には、さまざまな不幸が降りかかるのです。マーラー自身が「この曲は、聴くものに謎を投げかけるだろう」と言ったそうなのですが、後世のわれわれから見ると、この交響曲は不気味な予言...とも解釈できてしまうのです。

本田聖嗣

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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