日本と韓国の国宝「半跏思惟像」、なぜ似てる? 初の2体同時展示、「そっくりさん」の謎に迫る

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「日韓関係の新しい一歩になれば」

④なぜ「広隆寺の弥勒菩薩」が出品されないか

   日本で有名な半跏思惟像といえば、中宮寺のほかに京都・広隆寺のものがある。「広隆寺の弥勒菩薩」として親しまれている。なぜ今回の展覧会には出品されないのか。記者発表会ではそんな質問も出た。

   主催者側の説明によると、広隆寺の弥勒菩薩はアカマツ製。当時の日本の仏像はクスノキ製がほとんどだったので、異例だ。朝鮮半島からの伝来仏ではないかという説も根強くある。

   今回の展覧会は、古代の両国の文化交流を考えようというのがねらい。6世紀に韓国でつくられた像と、その影響を受けて7世紀に日本でつくられたことがはっきりしている像を並べることに意義があるという。「百済から習った仏像づくりを50~60年かけて日本化した」(大橋名誉教授)のが中宮寺門跡の像であり、両方の像を見比べながら類似や違いを味わってほしいというわけだ。

   2体の「半跏思惟像」に象徴されるように、古代の日本と朝鮮半島の関係はきわめて緊密で往来も盛んだった。ところがこの数年、関係が冷えこむ。

   今回の合同展のアイデアは2年ほど前から民間ベースで動き出していたという。昨年12月の「日韓合意」で交渉が後押しされたそうだ。同展の実行委員会には千玄室・裏千家大宗匠、鎌田薫・早稲田大学総長、榊原定征・経団連会長、森喜朗・元首相、宮田亮平・文化庁長官ら、政財界や文化関係の重鎮の名前が並ぶ。

    展覧会には「日韓国交正常化50周年記念」というサブタイトルがついている。「日韓関係の新しい一歩になれば」(実行委員会事務局)いう。

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