『シニア左翼とは何か』『国会前練習帳』 昨年の「反安保運動」振り返る出版続く

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   2015年夏の安保法反対運動を振り返った本が、このところ立て続けに出版されている。『反安保法制・反原発運動で出現――シニア左翼とは何か』(朝日新聞出版、2016年3月30日刊)や『一度は行ってみたい人の国会前練習帳』(三五館、5月6日刊)だ。

  • 反安保法制・反原発運動で出現――シニア左翼とは何か
    反安保法制・反原発運動で出現――シニア左翼とは何か
  • 一度は行ってみたい人の国会前練習帳
    一度は行ってみたい人の国会前練習帳
  • 反安保法制・反原発運動で出現――シニア左翼とは何か
  • 一度は行ってみたい人の国会前練習帳

60代、70代がデモや集会に戻ってきている

   『シニア左翼とは何か』の著者、小林哲夫さんは1960年生まれの教育ジャーナリスト。『ニッポンの大学』『東大合格高校盛衰史』などのほか、2012年には『高校紛争 1969-1970-「闘争」の歴史と証言』(中公新書)を出版しており、往年の活動家の消息に詳しい。

   そんな小林さんが、安保法に反対する人が集まる国会前に行ってみて気づいたのは、「SEALDsなどの若者よりも、実際には年寄りが多い」ことだった。「60年安保や全共闘世代が戻ってきている」と感じ、再取材したのが本書だ。かつてデモに行ったり、逮捕されたりしたことがあるシニア世代が実名で取材に応じ、多数登場している。

   たとえば新開純也さん。60年安保当時は京都大学教養学部の自治会委員長だった。しばらく「関西ブント」で活動していたが、70年代に運動を離れ、菓子チェーンに就職。最終的には社長にまで上り詰めた。そこでは政治とは無縁だったが、第一次安倍政権の登場で危機感を覚え、集会などに参加するようになったという。

   あれから数十年、彼らはいま何を考えているのか--。「老人になっても頑張るね」と思うか、「懲りない人たちだが多いなあ」とあきれるか。読者の受け止め方は様々だろう。

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