目の覚めるような発色で原画を再現
見どころは作品だけではない。展覧会につきものの「グッズ」も充実している。とりわけ思わず見とれてしまうのが、本展のために初めて特別に作られたトートバッグだ。「動植綵絵」を題材に、最新のプリント技術を駆使して、目の覚めるような発色で原画を再現している。縫製も日本で仕上げるなど細部まで凝ったつくりだ。
どんな服を着てこのバッグを持てば一番ぴったりするだろうか...。和装か、それともカジュアルか。ファッション・コーディネーターによる、競作が見たくなる。小物にもかかわらずトータルファッションを想起させるのは、それだけ若冲の原画のインパクトが強いということだろう。デザインのパターンは全部で8種類あり、各4800円。
このほか「鳥獣花木図屏風」でおなじみの白い象をモチーフにしたナノブロックや、瓶のラベルに象を描いた日本酒など多彩なオリジナルグッズが並んでいる。
若冲の実家は京都・錦小路の青物問屋だった。若冲も家業に専心していた時期もある。いま自分の絵にちなんだユニークな意匠の商品がたくさんできていることを知ったら何を思うだろうか。商人の血が騒いで、「うちでも売らせてもらいます」と身を乗り出すかもしれない。5月24日まで。