東京・上野の東京都美術館で開催中の「若冲展」が大混雑だ。連休中は入場までに1~2時間待ちになることも珍しくなかった。近年ますます人気が高まっている伊藤若冲(1716-1800)の生誕300年を記念したものだ。
「感動した」「素晴らしかった」
東京では初の大回顧展。代表作の「釈迦三尊像」や「動植綵絵」の全幅が会場内に特設された半円形の壁に沿って一堂に展示されている。一般には初公開となる「孔雀鳳凰図」、重要文化財の「仙人掌群鶏図襖絵」や「菜蟲譜」、米国のプライスコレクションから「鳥獣花木図屏風」「旭日雄鶏図」など、若冲を語るうえで欠かせない傑作89点を集めた、若冲展の決定版といえる展覧会だ。
全体の8割を占めるというモノクローム作品も見逃せない。極彩色の興奮が支配する絢爛たる若冲ワールドとは違い、落ち着いた墨絵の世界――別境地で静かに観想にひたることができる。
各紙の展覧会評でも絶賛され、ネットでも「感動した」「素晴らしかった」などの感想があふれている。