聴けばファイトがわいてくる作品かも
本書の単行本は3月25日に発売された。前後して早くも重版が決まるなど熱く支持されているが、いったいその理由とは――。
堀江さんは途上国と呼ばれる諸国の目覚ましい発展ぶりを物語る一方で、成長の止まった日本に残る優位点として、低価格での高品質な商品やサービスの提供、民度の高さ、治安の良さなどを指摘する。とくに東京は世界最高レベルの都市と称賛する。海外に若者が出て行かないのは当然と理解を示しつつも、生き方を模索している人に対し、諸外国との比較で「日本の現状を知ることが第一歩だ」と説く。
日本人は元来、好奇心旺盛な民族であり、外国の文化に接して「使える」と思ったものは積極的に取り入れて改良してきた。規制もタブーも少ないといえ、堀江さんの主張は一見過激なように思えて、実は先祖帰りとも言えそうだ。
オーディブルは通勤や通学中、家事などの「ながら」のシーンでの使用にも適している。「君はどこにでも行ける」を聴く人には、外国人観光客が多くいる場所に出かけてみよう。朗読を聴きながら日本人や外国人観光客の行動に注目するうちに「気づき」が生まれるかもしれない。