腸内でプリン体に作用する乳酸菌が存在する!?
――痛風予防の本を読むと、おすすめの食品の一つに牛乳やヨーグルトが挙げられています。その理由を教えてください。
「牛乳やヨーグルトといった乳製品はプリン体が少なく、乳タンパク質自体に尿酸を少し排せつさせる働きがあるとされています。さらにあるヨーグルト食品に含まれる乳酸菌は、プリン体をある程度除去できるようです」
――除去!? いったいどのような仕組みなのか教えてください。
「要するに口から入ったプリン体が腸で吸収されるとき、体内でPA-3乳酸菌がプリン体を分解する――プリン体を取り込んで自らの栄養にするとイメージすればいいでしょう。体内で生成されるプリン体には影響がありませんが」
――そのようなヨーグルトがあるのは朗報です。ただしプリン体と向き合っている人は、生活習慣を正すことが大前提と感じます。レバーや魚介類の摂取量を注意する以外に、尿酸値の高い人はどんな点に気をつけるべきでしょうか。
「とにかく水分をたくさんとって尿を出すようにしましょう。汗も水分を排せつしますが、プリン体はほんの少ししか含まれていません」
「尿の酸性度を示す『PH値』は、尿酸が一番溶けやすい6.2から6.7がちょうどいい。最近は酸性尿の人が多いです。そこで尿をアルカリ化する食品――野菜やキノコ、海藻、果物、酢、クエン酸を多くとるといいですね。豆類はプリン体がちょっと多いけれども、そんなに気にしなくていい部類なので、適度に食べるとよいでしょう」
――食事に細心の注意を払っても尿酸値が下がらない人はどうすればいいのでしょう。
「食事で改善できる部分は尿酸値でいうと0.5から1ぐらい。尿酸値が8や9もあって既に痛風も起こしているような人は、薬を使ってコントロールした方がいいですね。長期間薬を続けても大きな副作用は少ないですから」