食べ物の「プリン体」悪者どころか超重要成分! 上手に付き合うコツを医師がアドバイス

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ラーメンや鍋のスープ、レバーは要注意。ビールは...

   ――どんな食べ物にプリン体は多く含まれていますか。

   「種類を問わず肉はプリン体を多く含みます。一番多いのはレバーやキモといった内臓。魚介類だとエビやイカ、カツオにマグロ。意外にも赤身の魚はプリン体を多く含みます」
「尿酸値は筋肉の運動とのかかわりも強く、アスリートは意外に尿酸値が高いです。筋肉をつけるためにタンパク質を補いたい方は、肉や魚ではなくプロテインでとるとよいでしょう」

   ――野菜はどうなのでしょう。

   「ブロッコリーとかアスパラガス、ホウレン草の茎(くき)の部分、豆類のプリン体は比較的多いです。ただし野菜のプリン体は比較的尿酸を上げにくい。食品の成分表を見ると『こんなに高いのか』と気にする方もいるでしょうが、肉や魚介類の数値よりも少し低く見ていいでしょう」

   ――確かに日本人の食事は洋風化しています。一方で近年は小食化も指摘されています。

   「食べすぎているわけではなく、尿酸値を上げやすい食事になっています。肉類の摂取量は増えて野菜のそれは減りました。あとは糖分のとりすぎ。糖分ではぶどう糖は尿酸値を上げませんが、甘味料として最近多く使用される果糖は尿酸値を上げます」

   ――原材料にプリン体が少なくても、調理する過程で吸収しやすいものに変化することはあり得るのでしょうか。

   「例えばとんこつスープのように、濃厚なだしをとったものはプリン体が溶け出しています。ラーメンのスープは一杯あたりプリン体が200mg近く含みます。これは一日あたり摂取量目安の約半分です。しかも液体は吸収も高い。鍋料理も汁にプリン体が流れています」

   ――プリン体といえばビールが挙げられます。やはり含有量は多いのですか。

   「ビールのプリン体は尿酸になりやすく、体内に吸収されやすい。しかもビールを飲む人は何Lも飲んでしまいがちで、トータルでは無視できない量になりがちです。そのような観点でいえば、プリン体を抑えたビール類の方が尿酸値を上げにくいといえます」

   ――同じアルコールのワインはいかがですか。

   「ワインには痛風を抑制する働きのあることが知られています。ポリフェノールが影響しているようで、これはコーヒーにも当てはまります。ポリフェノールが尿酸を下げる効果は、ある程度証明されており、いろんなデータを見ても尿酸値が下がっています。アンセリンやフコイダン、ビタミンCや葉酸といった成分も同様の働きがあります」

   ――お腹いっぱい食べないと満足できない人はどうすればいいのでしょう。

   「穀物類――ご飯やパスタに含まれるプリン体はそんなに多いものではありません。太っている人はカロリー調整が必要ですけれども、普通はそんなに制限しなくてもいい。ところで卵はプリン体をほとんど含みません。卵は1つの細胞で、プリン体は細胞に1つしかないからです。パスタなら魚介類の入ったメニューより、卵を使ったカルボナーラのほうがベターといえます」

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