羽田発着の香港旅行が気軽に楽しめることで人気の格安航空会社(LCC)、香港エクスプレス航空。ここ数年はLCCならではの安さと手続きの簡単さから、香港を経由した「乗り継ぎ旅行」にも注目が集まっている。J-CASTトレンドでは、これからメジャーになるとみられる「乗り継ぎ旅行」レポートのため、レジャー担当記者を派遣。2016年4月中旬のある日に出発した。
香港エクスプレスの感想や、経由地・香港で一時入国した話は(上)でお伝えしたとおり。今回はそこから向かったベトナム・ダナンの魅力をレポートする。
白い砂浜の美しさに目を奪われ...
ベトナム中部に位置するダナンは、ハノイ、ホーチミンに次ぐ同国第3の都市。近年、大型リゾートホテルが続々とオープンしている人気急上昇中のビーチリゾートだ。ダナン国際空港は中部観光の玄関口にもなっており、香港エクスプレスは2016年4月に就航1周年を迎えた。
ベトナム旅行2回目の記者は、ダナンは今回が初めて。いざ降り立ってみると、通勤時間帯は相変わらずバイクの往来が激しいが、それでもホーチミンなどような喧騒はなく、穏やかな港町の雰囲気も感じられた。
注目は何といっても、白い砂浜がどこまでも続く美しい沿岸エリアだ。海を眺めながらリラックスしたり、マリンスポーツを楽しんだり、パラソルの下でココナッツジュースを楽しんだり...と、思いのままに過ごす事ができる。
沿岸の高級リゾートはプライベートビーチを持つ施設が少なくない。LCC利用で渡航費を抑えられた分、奮発してワンランク上のホテルに宿泊するのもありだ。
今回記者が滞在した五つ星ホテル「フラマ リゾート ダナン」もプライベートビーチを持つホテルの1つ。長椅子に座りながら見た白砂と青い海のコントラストにはため息がもれるばかり。取材旅行であることをつい忘れそうになってしまった。
ダナンはビーチ以外にも、フランス統治時代に建築されたカトリック教会「ダナン大聖堂」や、10~15世紀にベトナム中部で繁栄したチャンパ王国時代の遺物を展示する「チャム彫刻博物館」、龍の姿をした迫力満点の「ロン橋」など、観光スポットが充実している。
大理石からなるダナン屈指のパワースポット「五行山(マーブル・マウンテン)」も注目だ。五行山周辺から切り出された大理石は、周辺の店で加工され、彫刻品として販売もされている。
古都ホイアンで郷愁を感じる
せっかく中部を訪れたのなら、古都ホイアンにも足を運びたい。16~17世紀にかけて海上貿易の要として栄えた港町で、かつては日本や中国とも親交を深めた。ダナン国際空港からなら、車で45分程度の距離だ。
ぼんぼりで彩られたベトナムの民家に加え、洋風のコロニアル住宅、中国貿易商の旧家、日本の町家を思わせる木造古民家と、さまざまな建築様式が混ざり合った町並みは、どこかノスタルジックであり、独特な景観を残す。1999年には世界文化遺産にも登録された。
町は半日程度で回れるコンパクトなサイズ感ながら、国際的交易港としての歴史を感じる観光名所、活気あるローカルマーケット、おしゃれなカフェや雑貨屋がひしめく。カラフルなランタンの光が照らすナイト・マーケットは何とも幻想的だ。一歩細道に入れば「世界遺産」の顔ではなく、地域住民の「生活の場」としての顔も垣間見ることできる。
最後になったが「食」も忘れてはならない。ベトナム料理は米と野菜が中心。旅先でついつい食べ過ぎてしまうという人も、心置きなく食べることができる。
定番の生春巻きやフォーはもちろん、新鮮な海の幸が楽しめるのも中部エリアの魅力。さつまあげによく似た「チャーカー」がたっぷり入った米麺料理「ブンチャーカー」(ダナン名物)や、エビのすり身を米粉皮でくるんで蒸した「ホワイトローズ」(ホイアン名物)のように、名物料理にも魚介がたっぷり使われている。飲み口の軽いベトナムビールをグビグビいきながら、楽しみたい。
急成長を遂げているダナンだが、まだまだ開発の途中だ。ハノイやホーチミンとは違い、いい意味での「田舎っぽさ」も残っている。道中、人や街の穏やかさに癒された記者は、ぜひまた訪れようと心に決め、帰国の途に就いた。