「ロシア音楽の春」告げた「ひばり」 グリンカ歌曲をバラキレフが編曲して大空に

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   今日取り上げる曲は、先週に続いて鳥の「ひばり」を題名にした曲です。ロシアのグリンカが作曲した歌曲を、バラキレフがピアノ独奏曲に華麗にアレンジした作品です。

  • 「ひばり」の楽譜。フランス語と英語で題名が記されている
    「ひばり」の楽譜。フランス語と英語で題名が記されている
  • 曲途中は、ピアニストに超絶技巧を要求する華麗なるパッセージが
    曲途中は、ピアニストに超絶技巧を要求する華麗なるパッセージが
  • ヴィルトオーゾ的ではあるが、最弱音で消え入るように曲は終わる
    ヴィルトオーゾ的ではあるが、最弱音で消え入るように曲は終わる
  • 「ひばり」の楽譜。フランス語と英語で題名が記されている
  • 曲途中は、ピアニストに超絶技巧を要求する華麗なるパッセージが
  • ヴィルトオーゾ的ではあるが、最弱音で消え入るように曲は終わる

欧州各国の音楽の発展はイタリアとの距離しだい...

   ルネッサンスを起こしたイタリアに起源をもつクラシック音楽は、イタリアに近い国々から盛んになっていきました。音楽の都ウィーンがイタリアの隣国であるオーストリアにあるのは偶然ではありません。バロックの時代までは、教会か宮廷がパトロンとなり製作された音楽がほとんどでしたが、古典派の時代から、それまでの貴族階級に代わって力をつけてきた市民階級が音楽の支持層となったため、その後、革命を起こしたフランスや、商業の盛んなドイツといった北の国でも発展することになります。

   音楽の発達にそのような経路があったことを考えると、イタリアから遠い国は発展が遅れがちになります。イギリスは、世界的作曲家の数がイタリアやドイツやフランスに比べて少なく思えますが、やはり、イタリアからの距離が影響しているのかもしれません。しかし、この国は商業・金融が盛んで、音楽を聴く市民階級は豊富でしたから、多くの外国の作曲家や演奏家が足を運び、音楽界全体としては盛んな国になりました。

本田聖嗣プロフィール
私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でフプルミエ・プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目のCDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラマ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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