東京メトロは、運行開始から24年を経過した南北線9000系車両を順次リニューアルし2016年8月中旬から運行を始める。内装などを新たにし、搭載機器の更新などを行う。
車両の一部にあったクロスシートを撤去しフリースペースにすることで、車いすやベビーカーが通りやすくし、大きな荷物を持つ人が移動しやすいようする。フリースペースはこれまで6両1編成につき2か所だったが、すべての車両に備え計6か所に増える。また、混雑時に座る客に手荷物が当たるのを防ぐため、座席横の仕切りを大型化する。
列車の駆動力を担保する制御装置に、効率の良いフルSiC素子を採用。冷暖房や照明などに出力する補助電源装置(SIV)は、千代田線16000系4次車が導入した「並列同期/休止運転方式」を採用する。消費電力が少ない時は、2台のうち1台を自動的に停止させ、エネルギーロスを削減する。デザインでは、外装をウェーブデザインに変更し、ハーフハイトタイプのホームドアの区間でも見分けられるよう、識別帯を肩部に追加。床材と座席横を分ける仕切りの縁は、南北線を象徴するライトグリーン系の色に。
現在の車両の面影を残しつつ、柔らかさと躍動感を伝えるのが狙いだという。