鉄道の音を楽しむ「音鉄」を提案
鉄道には様々な魅力があり、様々なファンがいる。『音鉄 - 耳で楽しむ鉄道の世界』(著・片倉佳史、1728円、ワニブックス)は、そのタイトルの通り、鉄道にまつわる音を楽しむ「音鉄」の入門書である。
たとえば、駅メロディ。「鉄道唱歌」「お猿のかごや」「線路は続くよどこまでも」など誰もがよく知る、列車が発車するのを知らせるメロディのこと。車掌の車内放送もその一つ。名調子や国訛りの面白さがある。蒸気機関車の汽笛や踏切の警報音は映画のシーンでもよく登場する。ことほど左様、実に様々な音がある。
著者は「鉄道は常に何かしらの音とともにあり、音の中に存在しているとも言えます。私はこれをトレイン・サウンドスケープ(鉄道音風景)と名付けてみました」と語る。台湾在住の作家で、耳で聞く鉄道の面白さを広めくべく、録音機材を片手に日本をはじめ世界各地を巡っている。鉄道趣味の新しいスタイルだ。