トスカニーニによる再演で評判に
古代ローマ帝国は、建築に秀でており、今も残る長距離の水道を整備したことで有名ですが、彼のローマに関する交響詩の第1作は、「ローマの噴水」という題名になりました。
多くの交響曲と同じ4つの楽章を持ち、それぞれ夜明けから黄昏までの時間帯を当てはめ、ローマやその周辺に位置する噴水や泉の情景を見事なオーケストレーションで描きました。1917年の初演時には不評でしたが、1918年にイタリアの名指揮者トスカニーニによって北イタリアのミラノで再演されると評判となり、レスピーギの出世作となったのです。そして、イタリアの栄光を、正面から、高らかに歌った交響詩として、長く人々に愛される曲になりました。
レスピーギは、これに気を良くしたのか、この後も、ローマに関する交響詩を作曲し続け、3つの大きな作品を残すことになります。
本田聖嗣