英米では電子書籍を超える勢い
AmazonのAudible担当のキーリング宮川もとみさんは、サービス開始してからの反響について
「サービス開始当初はオーディオブックの利用方法がほとんど知られていない状態でしたが、我々がオーディブルのアプリを使って様々な楽しみ方をPRしていく中で、実際に使ってみた感想や、新たな使い方の提案など反応が多数寄せられており、手ごたえを感じています」
と語る。
アメリカでは、電子書籍以上にオーディオブックの売り上げが伸びている。アメリカ出版社協会(AAP)によると、2015年1~8月のダウンロード版の売上高は前年比で38%も増加した。爆発的に伸びた理由はいうまでもなくスマートフォンの普及だ。アプリをインストールすればオーディオブックプレーヤーとして使える。
また「出版ニュース」15年8月下旬号は、イギリスの14年度オーディオブック市場が前年比24%増と目覚ましい伸びを見せたことを報じている。同国の大手出版社は単なる書籍の音声化にとどまらず、オーディオブックならではの付加価値をつけることで勝負に出ている。有名俳優を朗読に起用したり、人気著者と俳優が対談するシリーズを始めたり、サンプルを無料配信して書籍の宣伝に利用したりしているという。
こうした取り組みが日本でも本格化すれば、目や手が使えない生活の様々なシーンで本を聴く習慣が定着する可能性は十分にある。オーディブルではコンテンツの拡充に加えて、若手声優の発掘や、朗読してほしい人材のリクエスト対応、新たな利用シチュエーションの提案など様々な取り組みを進めていく方針だ。