子育て支援者を表彰する、住友生命「未来を強くする子育てプロジェクト」 エネルギッシュでボランティア精神にあふれた25組が集結

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   住友生命保険の「未来を強くする子育てプロジェクト」は、子育て支援活動に取り組む個人・団体の表彰と、育児を行いながら研究を続けている女性研究者をサポートする社会貢献事業だ。2016年2月22日にホテルニューオータニ(東京都千代田区)で表彰式が開催され、合計で25組の団体・個人が受賞した。

   「スミセイ未来大賞」に選ばれたのは2組。「てんやく絵本ふれあい文庫」(大阪府大阪市)は「同大賞・文部科学大臣賞」に選ばれた。「てんやく絵本」の製作・貸出・普及を通じて、誰もが絵本を楽しむことのできる環境づくりに貢献したことが評価された。

   「同大賞・厚生労働大臣賞」に選ばれたのは「療育ファミリーサポートほほえみ」(沖縄県南風原町=はえばるちょう)。重度障がい児のファミリーサポートと子どもをなくした家族に対するグリーフケア活動が認められた。

  • 第9回「未来を強くする子育てプロジェクト」受賞者と来賓、選考委員、住友生命保険相互会社取締役代表執行役社長ら
    第9回「未来を強くする子育てプロジェクト」受賞者と来賓、選考委員、住友生命保険相互会社取締役代表執行役社長ら
  • スミセイ未来大賞受賞者の2組。左の女性が「てんやく絵本ふれあい文庫」代表の岩田美津子さん、右が「療育ファミリーサポートほほえみ」代表の福峯静香さん
    スミセイ未来大賞受賞者の2組。左の女性が「てんやく絵本ふれあい文庫」代表の岩田美津子さん、右が「療育ファミリーサポートほほえみ」代表の福峯静香さん
  • 岩田さんが式場に持参した「てんやく絵本」
    岩田さんが式場に持参した「てんやく絵本」
  • 絵本の中ページにも点字が
    絵本の中ページにも点字が
  • 療育ファミリーサポートほほえみの公式サイト
    療育ファミリーサポートほほえみの公式サイト
  • スミセイ震災復興応援特別賞受賞者の1組、「こおりやま福来応援隊」の遠宮さん親子
    スミセイ震災復興応援特別賞受賞者の1組、「こおりやま福来応援隊」の遠宮さん親子
  • マイクに向かって話しているのは、スミセイ女性研究者奨励賞受賞者のアリポヴァ・カモラさん親子
    マイクに向かって話しているのは、スミセイ女性研究者奨励賞受賞者のアリポヴァ・カモラさん親子
  • 第9回「未来を強くする子育てプロジェクト」受賞者と来賓、選考委員、住友生命保険相互会社取締役代表執行役社長ら
  • スミセイ未来大賞受賞者の2組。左の女性が「てんやく絵本ふれあい文庫」代表の岩田美津子さん、右が「療育ファミリーサポートほほえみ」代表の福峯静香さん
  • 岩田さんが式場に持参した「てんやく絵本」
  • 絵本の中ページにも点字が
  • 療育ファミリーサポートほほえみの公式サイト
  • スミセイ震災復興応援特別賞受賞者の1組、「こおりやま福来応援隊」の遠宮さん親子
  • マイクに向かって話しているのは、スミセイ女性研究者奨励賞受賞者のアリポヴァ・カモラさん親子

「他人に助けてもらったから、私もお返しがしたい」

   表彰式を控えて、大賞受賞団体の代表者にそれぞれ話を聞いた。

   てんやく絵本ふれあい文庫は、市販の絵本に塩化ビニール製のシートを貼り付けて文字と絵にてんやくをほどこす「てんやく絵本」の製作・貸出を続けている。代表の岩田美津子さん(63)は先天性の視覚障がい者。わが子に絵本を読み聞かせようと思ったところ、点字付きの本がなかったことから1984年に活動を始めた。ボランティアの協力を得て年間350冊ペースで「てんやく絵本」を製作し、蔵書数は1万冊を超える。絵本を必要とする学校や図書館に郵送で貸し出すサービスも行っている。さらに絵本出版社に働きかけ、市販の点字付き触る絵本の発行・流通でも大きな役割を果たした。

   出版物製作の過程で誤植の発生は付きもので、点字もその例外ではない。地道で根気のいる作業だが、ボランティア数は約150名に達する。これほどの規模に成長したのは、岩田さんの熱意や誠意あればこそだろう。

「誰もやらなかったから私がやったんです」

   言葉の端々から彼女のバイタリティが伝わる。そういえば現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」の主人公・白岡あさは、女性実業家として成功を収め、日本初の女子大学校設立に情熱を傾けた。本人は「とても及ばない」というが、新しい分野を切り開く姿は「あさ」と重なる。

   もう1組の大賞受賞者、「療育ファミリーサポートほほえみ」代表の福峯静香さん(45)は、見るからに人当たりの柔らかい、面倒見の良さそうな女性だ。彼女が活動を始めたのは2005年のこと。前年に重度の障がいをもった長男、宙(そら)ちゃんを亡くしている。宙ちゃんは全国の病院を何度も転院した。すでに女の子が2人いて、行政や他人からさまざまなサポートを受ける。その経験が彼女の人生観を変えた。

「それまでは自分だけで生きている気がしていました。いざ困った状態になり、『こんなに人の助けがいるんだ』とすごく感じて。やってもらった分、私もやろうと思って立ち上げました」

   福峯さんの活動拠点は沖縄県那覇市中心部から車で約7.5km。その拠点がある県中・南部地域は障がいをもった子どもとその家族に対するサポート体制が徐々に整いつつある。一方で北部地域では公的サービスがまだまだ不足していることから、直接の支援と高低支援の開拓・充実に注力したいそうだ。本土の障がい者の子どもが沖縄に遊びに来られるホスピスを開設するのが夢で、それに向かって頑張りたいと語った。

   このほか「スミセイ未来賞」には以下の10組が選出された。

  • うりずん(栃木県宇都宮市)
  • かわね来風 ―ママ宅事業部―(静岡県榛原郡川根本町)
  • ぐるぐるアート 世話人会(鳥取県米子市)
  • 元気アートプロジェクト(福岡県福岡市)
  • シェイクハンズ(愛知県犬山市)
  • しぶたね(きょうだい支援たねまきプロジェクト)(大阪府大東市)
  • そらいろプロジェクト京都(京都府京都市)
  • ダルク女性ハウス(東京都北区)
  • 発達凸凹サポートデザインかたつむり(東京都八王子市)
  • 余市教育福祉村(北海道余市郡余市町)
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