"渦中の"あの人もこの人も...人格形成への投資が疎かになっていないか その場しのぎにとらわれがちな日々の生活を見直す

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最期によい人生だったと振り返ることができるよう

   公務員等の年功序列のピラミッド構造の組織では、人材の流動性が低く、先輩・後輩の関係が退職するまで固定化されたままであるし、同期も横並び昇進、試験区分等によって昇進のタイミングも到達できる役職も固定化され、入れ替わることはなかなかない。よほどのことがなければ解雇もされない。こういった現状を考えると、内面がどうであれ、何かしらのポストは存在しうるため、求められている役職での成果が出せていればそれでよいという考えもあるかもしれない。場合によっては個人の内面は邪魔になるという考えもあるかもしれない。はたまた、よく似た考え方を持つ人で構成される特定の集団内での、なれ合いの関係だけで十分という考えもあるかもしれない。

   しかし、人格が伴わずして、心の底からこの人と同じ時間を過ごしたい、協力したい、一緒に仕事をしたいという思いを持ってもらえるだろうか。肩書きなどがすっかりなくなった状態になっても同じ思いを持ち続けてもらえるであろうか。仕事は成果を出すことが前提であり、成果を出す人が重宝されるのは至極当然のことである。また、組織で働く以上、組織内の立場・役職を理解・意識することは不可欠である。一方、それだけではなく、やはり人は、楽しく充実した効果的な職業人生を送るために、相互依存の豊かな人間関係を築きたい欲求を持っているはずである。大なり小なり、相互依存の人間関係を通じて、志を実現し社会に貢献したいものである。その実現には優れた人格の所有が大きな要素だと私は信じている。私自身も読者の皆様も、自らの死が訪れたとき、よい人生だったと振り返ることができるよう、日々人格を磨くことで豊かな職業人生を送れることを願っている。

経済官庁(係長級)NO MUSIC, NO LIFE.

【霞ヶ関官僚が読む本】現役の霞ヶ関官僚幹部らが交代で「本や資料をどう読むか」「読書を仕事にどう生かすのか」などを綴るひと味変わった書評コラムです。

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