内面の成熟した個人が相互に相違点を認識・尊重しシナジー発揮→公的成功
相手とWin-Winの関係を築くためには、相手の考え方や感情に配慮しながら、自分の気持ちや信念を伝えるという、思いやりと勇気のバランスが必要としている。権力や地位にものを言わせて相手を抑え込むWin-Loseの考え方や、相手に気を遣いすぎるがゆえに自分の感情を抑え込んでしまうLose-Winの考え方では、せいぜいお互いの妥協点が見つかるくらいで、シナジーは発揮できないとしている。シナジーの本質は、お互いの相違点を認識・尊重し、自分の強みを伸ばし、弱みを補うことであり、シナジーを発揮する相互依存の関係には、まず相手を心の底から理解することが必要と著者は述べている。しかし、ほとんどの人は、次に自分は何を話そうかと考えながら相手の話を聞いているものとのこと。この誠実とは言い切れない姿勢を乗り越え、本当の意味で人の話を聞けるようになると、見方は人によって大きく異なることを認識できるようになるとしている。相手の相違点を尊重するためには、自分と類似した居心地のよい考え方を離れ、心を開き、異なることの不愉快さや不安に打ち勝って、それを受け入れる内面の安定性、すなわち優れた人格が必要としている。