20世紀後半になって再評価
カラヴァッジョの作品は世界で60点ほどしか残っていない。移動禁止の作品も多い。今回は約10点が公開される。前回のカラヴァッジョ展では8点だったので、それを上回る。「日伊国交樹立150周年記念」ということで関係者が尽力した結果だという。
今回は、彼の影響を受けた各国の作品も含めて50数点を、「風俗」「五感」「光」などのキーワードで分けて展観する。作品と合わせて当時の裁判記録なども掲示、画家の芸術と波乱万丈の生涯を浮かび上がらせる。
カラヴァッジョは17世紀前半には高い評価を受けていたが、その後、半ば忘れ去られ、20世紀後半になって再評価されるようになった。今回の規模の大回顧展は世界的にも異例だという。それだけに、主催の西洋美術館も力が入っているようだ。同展の紹介文で、「2013年のラファエロ展、ミケランジェロ展に続き、・・・いよいよカラヴァッジョが登場」と盛り上げ、館としての意気込みを示している。