バロックの鬼才「カラヴァッジョ展」 日本で15年ぶり、西洋美術館で3月1日から

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殺人事件まで引き起こす

   激しさを秘めた作品群と同じく、実人生も荒々しさに満ちていた。20代で名声を確立したが、粗暴な気性から刃傷沙汰を繰り返し、揚句の果てに殺人事件まで引き起こす。死刑宣告を受け、逃亡生活に。恩赦を求めてローマへ向かう途中で客死した。まだ38歳の若さだった。

   前回のカラヴァッジョ展で朝日新聞・外岡秀俊編集委員(当時)は「カラバッジョ、破滅への疾走、光と影の巨匠」と題し、同紙で次のように解説している

「芸術家には数奇な生涯を送った人が多い。だがカラバッジョは、ず抜けている・・・生来の荒くれだった。弟子もとらず、半月ひきこもって絵筆をとり、下絵もなしに一気に絵を仕上げた。残りの半月は絵筆の代わりに剣をおび、無頼の日々を送った」

   そして現地の研究者クダディヤル氏のこんな言葉を紹介している。

「カラバッジョはシェークスピアと同時代の人です。彼の作品は、絵画の中で繰り広げられる劇なのです」

   友人らは「異常なまでの才能」を惜しみ、墓碑銘には「自然そのもの以外に比肩しうるもののいない画家」と記されたという。

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