北欧の極夜に思い馳せ、厳冬に聴く...フィンランドの現代作曲家ラウタヴァーラの"鳥の声とオーケストラの競演"

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   暦的には大寒を過ぎましたが、寒い日々がつづいています。冬至は12月ですから日は長くなりつつあるのですが、日本では最も気温が下がるのは、1月下旬から2月にかけてですね。

    寒さを感じるこの時期に、極北の鳥たちの声を聴ける曲、「カントゥス・アルティクス」をご紹介しましょう。

  • 作曲者ラウタヴァーラの1950年代の肖像
    作曲者ラウタヴァーラの1950年代の肖像
  • 作曲者近影
    作曲者近影
  • カントゥス・アルクティクス 1曲目の楽譜
    カントゥス・アルクティクス 1曲目の楽譜
  • 作曲者ラウタヴァーラの1950年代の肖像
  • 作曲者近影
  • カントゥス・アルクティクス 1曲目の楽譜

冬の2か月間、太陽は沈んだまま

   作曲者は、エイノユハニ・ラウタヴァーラです。北欧フィンランドはヘルシンキの出身です。ヨーロッパの国々は、日本と比べるとずいぶんと北のほうにある国ばかりなのですが、先週のカリンニコフのロシアと並んで、文字通り北の国、と形容できるのが北欧3国です。中でも、フィンランドは、国土の一部が北極圏に入っています。夏のシーズンには1日中太陽が沈まない白夜があったりしますが、逆に冬は、1日中太陽が昇らない日もあるわけです。極夜、というそうです。もちろん白夜と極夜があるのはフィンランドでも北のほう、北極圏に入っているところのみですが、その地域では、冬の2か月間、太陽を拝むことができないわけです。もっとも太陽自体が地平線の下にあっても、空は明るくなり、周囲は雪による白銀の世界ですから、思ったよりは明るくなるそうです。

   そんな、北国のフィンランドの作曲家といえば、一番有名なのが「フィンランディア序曲」などを書いたシベリウス(1865~1957)です。1928年生まれのラウタヴァーラは、彼の名を冠した首都の音楽院で音楽学と作曲を学び、そのあと、アメリカとドイツのケルンでも勉強をつづけました。

本田聖嗣プロフィール

私立麻布中学・高校卒業後、東京藝術大学器楽科ピアノ専攻を卒業。在学中にパリ国立高等音楽院ピアノ科に合格、ピアノ科・室内楽科の両方でピルミ エ・ プリを受賞して卒業し、フランス高等音楽家資格を取得。仏・伊などの数々の国際ピアノコンクールにおいて幾多の賞を受賞し、フランス及び東京を中心にソ ロ・室内楽の両面で活動を開始する。オクタヴィアレコードより発売した2枚目CDは「レコード芸術」誌にて準特選盤を獲得。演奏活動以外でも、ドラ マ・映画などの音楽の作曲・演奏を担当したり、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」や、インターネットクラシックラジオ「OTTAVA」のプレゼンターを 務めるほか、テレビにも多数出演している。日本演奏連盟会員。

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