ASUS JAPAN(エイスース ジャパン、東京都千代田区)は、SIMフリースマートフォン「ZenFone Zoom」(ZX551ML)を2016年2月5日から日本国内で順次発売する。
今回の新製品の特長はカメラ機能へのこだわりだ。HOYA(東京都新宿区)の光学ズームレンズユニットを本体に内蔵することで、本体から背面レンズを迫り出させることなく、光学3倍ズームを可能にした。光学式手振れ補正機能も搭載しており、ズーム時の手振れを補正することができる。
カメラ機能の秘密は「プリズム」にあり
HOYAグループのオプティクス事業部の神原稔さんは1月25日に行われた発表会で発売にこぎつけるまでの"秘話"に触れ、レンズユニットの開発に約10年を要したと語った。
スマホの背面カメラのレンズユニットは通常、厚さ10mm前後のスペースにレンズ群(複数のレンズ)が収まっている。このレンズ群がユニット内を移動することで、焦点距離と画角を任意に合わせ、しかもピントが外れないようにする仕組みになっている。レンズの数を増やすほどズームは伸ばせられるものの、カメラ部の出っ張りは消費者に支持されない。カメラの機能向上と端末の薄型化という相反する流れに、スマホ向けカメラモジュール開発者はみな頭を悩ませている。
HOYAが出した結論は、潜水艦のペリスコープ(潜望鏡)で使われている「プリズム」の採用だった。2つのプリズムは入射する光を90度に曲げる。これによって10枚のレンズを収めることが可能となった。
背面カメラは1300万画素で、最速約0.03秒でフォーカスを合わせるレーザーオートフォーカス機能を搭載している。またマクロ撮影の最短距離は約5cmと、一般的なコンパクトデジタルカメラとそん色ない。
白色と黄色の2色のLEDフラッシュも備える。周囲の明るさに合わせて発光度合いを自動調整する「リアルトーンフラッシュ機能」に対応しており、フラッシュ撮影時でも実際の色に近い自然な色味で撮影が行える。
タッチアンドトライコーナーで記者も実際に操作してみた。真っ白な小石を撮影したところ、説明員の持っていた他メーカーの製品では「白とび」現象が起きていたのに対し、ZenFone Zoomはしっかり捉えていた。そののカメラ機能はスマホとは思えないほど。