バレンタインは恋人や好きな人に普段伝えられない感謝や熱い気持ちを伝える甘酸っぱいイベントである。そんな大多数の日本人が共有しているであろうイメージとは一線を画すコンセプトでバレンタイン商戦に打って出た和菓子屋があった。
創業64年の老舗・菓子匠末広庵(神奈川県川崎市)は2016年1月29日から「宇治のお濃茶ショコラ大福」を販売する。一見すると普通のスイーツだが、その売り文句は
「愛だの恋じゃない、『本当に伝えたいことが伝わる』成熟カップルのためのバレンタイン」
だという。一体どういうこと?
普段言えない本音や不満をしれっと伝えるメッセージカードつき
ショコラ大福は宇治抹茶をたっぷり練りこんだベルギー産ホワイトチョコレートをお餅で包んだ「濃すぎるくらい濃い」一品で、バレンタイン期間限定商品だ。菓子匠末広庵はこれを予約した人に「QRコードでしれっと本音を伝えられるメッセージカード」を無料でつけるという。
カードには「いつもお仕事ご苦労様です」といった相手への思いやりを伝える言葉の横にQRコードが印刷されている。実はメインはこのQRコード。購入者は、普段面と向かって伝えることが難しい本音や不満を、このQRコードに仕込んで相手に渡すのだ。
たとえば「たまには酒を飲まずに帰ってこい!」という夫への不満から、上司に向け「今度有給取らせてください!」といった仕事の要望、「そろそろプロポーズして」という彼氏へのヘビーなお願いまで、さまざまなメッセージを忍ばせることができる。
表のメッセージは22文字以内、本音メッセージは23字以内で好きな言葉を入れられる。メッセージカードの作成申し込みは受け取りの3日前までで、値段は4個入り799円(税込)。
なお、「メッセージによる男女間のトラブルについて菓子匠末広庵は一切の責任を負いかねる」とのことだ。