誕生から29年目になるポプラ社の児童書シリーズ「かいけつゾロリ」は、小学生らによる熱烈な支持が衰えることなく、2015年12月には最新刊(第58巻)「きえた!?かいけつゾロリ」(原ゆたか著)が発売された。
朝の読書推進協議会による「『朝の読書』(学校)で読まれた本」の調査では、2年連続1位に選ばれた「かいけつゾロリ」。漫画やアニメで大人たちにもおなじみのヒーローと比べるといかにも地味な印象だが、子どもたちにとってその魅力とは何なのか。
最新刊「きえた!?かいけつゾロリ」15年12月発売
「かいけつゾロリ」には、子どもたちが物語に引き込まれるような仕掛けが随所に散りばめられている。
例えば、第7巻「かいけつゾロリの大きょうりゅう」では、本からゾロリが話しかけることにより、読者が間近で事件を見ているような臨場感を演出。
また、クイズ・迷路等の読者参加型のコンテンツは、何度か読んだ時にふと見つかる、びっくり仕掛け。2度目、3度目と読んでも新しい発見があり、得をしたような気持ちが味わえる。
こうした仕掛けについて、教育学者である、明治大学の齋藤孝教授は、
「本の内部・世界にどんどん入っていく経験が出来る事が「かいけつゾロリ」の良いポイントではないかと思います。(中略)世界に入っていくという事は理解する事の基本となり、非常に重要な経験なのです。」
と述べ、「かいけつゾロリ」が子どもにとって本を読むという行為・習慣のきっかけになるとしている。