読書が「監督としての基礎固めだった」
本書は、こうして日々の仕事に対する示唆に富むものであるが、随所に懐かしい選手の名前が出てくる(例えば巨人の淡口、ヤクルトの池山など)ほか、メジャーリーグで活躍する田中、岩隈も出てくるので、熱心なプロ野球ファンでなくても抵抗なく読めるものだと思う。また、本書では、著者と読書の向き合いについても言及がある。著者は現役引退後の野球評論家になってから、政治、経済、哲学、小説など、ジャンルにこだわらずさまざまな本を読みあさり、これが「私の監督としての基礎固めだった」と振り返る。読書によってそれまで自分が知らない新たな知識が獲得され、それが自身の専門をより深めることになることもある。今年はどんな本と出会えるのか、いい出会いがあればまたこのコラムで紹介したいと思う。
銀ベイビー 経済官庁 Ⅰ種